あなたの責任ではないかも!? 断捨離・ミニマムライフが出来ない方に

僧侶(タイランド) アジア
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断捨離やミニマムライフというのが流行りだして随分経ちました。
今でもどんどんそういったスタイルを実践する人が増えているということは、流行ではないですね。
本当に求められているものなのだなと思います。

ただ、断捨離やミニマムライフは簡単なようで難しいのも事実です。
これはまだいるかなぁと思っても捨てられなかったり。
ミニマムにしたつもりがいつのまにか物が増えていたり。
うまくいかずに自己嫌悪に陥っている人もいるのではないでしょうか?

でもそれはあなただけの責任ではないかもしれませんよ?

 

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「もの」が欲しいようにPRされていない

私は旅に出てから、ほとんど物を買っていません。
お金を使うといえば、ご飯と宿など基本的なことだけです。
物を買うとしても、パンツが破れたとき必要に駆られて買うだけです。

それは、私が自分自身をコントロールできているかといえばそうじゃないんです。
私はカメラが趣味ですから、日本にいるときは、一本10万円以上もするレンズを何の躊躇もなく買ったりしていました。
カメラが好きでない人からすればクレージーですよね。

バックパッカー(フィリピン)

生活最低限の荷物を持って旅をするバックパッカーは、究極のミニマリストだ(フィリピン)

それでは、なぜ私が旅に出てから買い物をしなくなったか?

欲しいものがないんです。

正確に言うと、

物をほしいと思わせるサービスがないんです。

サリサリストア(フィリピン)

アジアの田舎ではコンビニがない地域も多く、このような個人商店が一般的。(フィリピン)

旅に出てから、改めて気づいたことなのですが。
日本の販売はすごく工夫されています!
すごいです!
興味がある人ならば誰でも欲しくなって当たり前です!
なんなら、興味の無い人まで引き付けるパワーがあります。

日本に一時帰国したときに、ニキビを治す機会のCMを見ました。
「あなたのお子さんはニキビで悩んでないですか?」

私の子供のころは、
「ニキビを治して、キレイになってもてよう!」
みたいなCMが多かったと思います。

この二つの何が違うかというと、
そもそもターゲットが変わっています。

昔のCMのターゲットはニキビのある「本人」でした。
でも今は、ニキビがある子供を持っている「親」がターゲットになっています。

購入決定権が誰にあるのかなどの事情などを考えても、明らかに「親」をターゲットにしたほうが効率良いです。

 

それに比べて、他の国はどうでしょうか?

工夫がない・・・。
消費者に欲しいと思わせる工夫がないのです。

食堂のメニュー一つとっても、解像度50pxくらいの写真が引き伸ばされてボケボケになっていたり。
商品は何の工夫もなく羅列されていたり。

「蜘蛛の巣が貼ってるやん!」ということも。
全く消費欲が湧いてきません・・・

ヘルメット屋さん(インドネシア)

大量にヘルメットを陳列しているお店。ディスプレイの仕方などあまり工夫がない(インドネシア)

 

それに加え、旅をしていると普段よりもテレビやインターネットを見ません。
欲しいと思わせる広告すら見る機会がなくなります。
情報への接触時間も圧倒的に短いのです。

タイの田舎(タイランド)

タイの片田舎の町。物を売るための情報を見ることが少ない。(タイ)

山の中の村(ネパール)

ネパールの山の中の村。村で手に入らない必要最低限のものは麓の町から時間をかけて運ぶ(ネパール)

もちろん、一口に海外と言っても、国にもよりますし、場所によります。
基本、私は一般の旅行者がいかないような田舎が好きなので、そういった機会が多いのかもしれません。

タイのバンコクは、トランジットで行くことが多いのですが、バンコクに行けば一気に変わります。

日本と同じかそれ以上に、物やサービスが欲しくなるようにアピールされています。
消費欲を駆り立たせる罠がいっぱいです!

特にコンビニ・・・。
コンビニの無い地域からバンコクに行けば、反動もあってか、用もないのに一日に何回もコンビニに行ってしまうのです。
コンビニというのは本当にすごいですね・・・。

夜景(タイランド)

バンコクの繁華街。様々なお店が並び、夜遅くでも車や人が行きかう。(タイ)

「もの」と引き換えに時間を犠牲に

当たり前の話ですが、物を買うためにはお金がいります。
お金を稼ぐためには、基本的に労働をしなければいけません。
労働をするためには、時間を使わなければいけません。

物を買う=時間で払う

ということですね。

時間換算で物の価値を計算すると、9,000円のものを買うときはこうなります。

※時給3,000円の人
9,000円のお買い物=3時間のお支払い

※時給1,000円の人
9,000円のお買い物=9時間のお支払い(ほぼ丸一日労働)

お買い物をするとき、お金ではなく自分の労働時間に換算すると違った感覚が生まれてきませんか?
世の中の値札表記がお金ではなく、時間になったら消費が落ちてしまうかもしれませんね。

人間の時間(人生)というのは、どんなお金持ちも天才も増やすができないのです。
増えることなく、減っていく一方です。
家族や友人と過ごしたり、自分の好きなことをやったり、仕事をしたり、いろんなことで時間は減っていきます。
そして、お買い物をするということも時間を減らすことのひとつなのです。

海外の田舎を訪れると本当にのんびりしています。
確かに金銭的には裕福じゃないかもしれません。
でも多くの人が時間に追われず生きています。

洗濯機もないし、冷蔵庫もないし、車もないという家庭もあります。
本物の断捨離・ミニマム生活です。

海外の田舎でのんびり暮らしている人々は、物を買うために時間を支払わなくてよいので時間に追われず生きているのです。

ミャンマーの人々(ミャンマー)

家族でのんびりと時間をかけて会話を楽しむ。海外の田舎町でよくある光景。(ミャンマー)

赤族の人々(タイ)

必要最低限で仕事はサッと終わらせて、友人・家族とバーべーキューを楽しむアカ族の人たち。(タイランド)

お金が回れば経済が発展するが

私は、消費自体を否定しているわけではありません。

誰も商品をしなくなれば、お金は回らなくなり経済は破綻してしまいます。
経済が落ち込めば、行政サービスも維持できなくなってしまいます。
日本がこれだけの経済発展国になったのも、大量の商品があったからです。

しかし、本当は必要でない無駄な消費は見直した方が良いのではないでしょうか?
そういった無駄な消費を大量にして、経済が活性化されても儲かるのは一部の人と企業だけです。
資産家は、資産自体がお金を稼いでいるので、そもそも「労働時間=お金の額」という図式も成り立ちません。

87%の国民がサラリーマンの日本では、大多数の人は人生の貴重な時間(=お金を稼ぐ時間)を奪われるだけです。

パビリオンモール(マレーシア)

クアラルンプールも今は屈指の経済発展地域。多くの人がショッピングモールに集まる(マレーシア)

商品自体やサービスなど本当は役に立たず良いものでないのに、売り方だけで売れてしまうことも問題です。
本当に良いものしか売れない社会になれば、また次のステップの経済発展があると思います。

 

まとめ

今回は、アジアの田舎の状況から見た、「断捨離・ミニマムライフをする前に考えること」を紹介しました。

私たち日本人をはじめ、先進国の人たちは断捨離・ミニマムライフを実践するためには非常に難しい状況にいます。けっして自分の意志の弱さだけが問題ではないのです。

逆に言えば、アジアの田舎の人たちは、自分の意志に関係なく自然に断捨離・ミニマムライフを実践できる状況にいるということです。

ただ、今後経済が発展することによって、同じように大量消費の罠にはまっていく可能性は大いにあるでしょう。

私たちを取り巻く環境を理解してから、自分にとって本当に必要なものを考える、必要じゃないものを考えることが今後の先進国には必要になってくるでしょう。

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