世界一希少で高価なコーヒーと言われる「コピルアク」。
「お店ではいくらくらいで買えるの?」
「カフェで飲むといくらくらい?」
「現地でも高いの?」
「そもそもなんでそんなに高いの?」
今回は、インドネシアでコピルアクに出会い、すっかりハマってしまった私がそんな疑問にお答えします。また「コピルアクの製造方法」を通じて価格が高い理由、本物・偽物の見分け方、コーヒー1杯に換算したときにどこで買うのがお得なのかもお伝えします。
(先に前回の記事をご覧いただくと、より今回の記事がご理解いただけます。)


コピルアクの価格、相場はいくら?
カフェやホテルでのコピルアク一杯の値段
お店によって幅がありますが、一番高いのは有名ホテルや高級ホテルで飲むコピルアクでしょう。
赤坂プリンスホテルのコピルアクは時価で、一杯1万円以上するときもあります。さすがに高級コーヒーと言っても、一杯に一万円を払うのは勇気がいりますよね。。。
- タイでバカンス!(片道チケット購入)
- ディズニーランドで思い切り遊ぶ!(入場料)
- そこそこ高級な焼肉をお腹いっぱい食べる!
- 回ってないお寿司屋さんに行く!
全部、1万円でお釣りが来ます。私が海外をバックパッカーで旅するときは、一万円と言えば、一か月分の食費です。。。
もちろん、有名ホテルや高級ホテルには凄腕のバリスタの方がいらっしゃって、その方の目利きやコーヒーを淹れる技術、エクセレントなサービス、空間なども価格に含まれていますので、妥当な金額ではあると思います。
それでは、普通の喫茶店やカフェの場合はどうでしょう。一杯3,000円~5,000円というところが多いようです。高級ホテルに比べてグッと敷居が下がりました。
それでも「これなら飲めそう。。。。」とはやっぱりならないですよね。。。。
普通のコーヒーが1杯500円くらいだとすると、6~10杯分のお値段です。スターバックスの高級店
「スターバックス リザーブ ロースタリー 」でも1杯1,200円くらいです。
いかにコピルアクが高いコーヒーかお分かりいただけるのではないでしょうか
値段はさておき、コピルアクを実際に飲めるカフェはものすごく少ないです。
東京や大阪などの都会ならまだしも、地方の方だとコピルアクを扱っているお店はないかもしれません。コピルアクを仕入れても、注文するお客さんが少なく、豆がだめになってしまい効率が悪いというのが理由のようです。昔、映画でコピルアクが有名になったときに扱いを始めたカフェや喫茶店もそこそこあったらしいのですが、それでも全然儲からないのでやめてしまったとのことです。
コピルアクの現地価格
それでは、現地のコピルアクの価格はどうでしょうか?
インドネシアのローカルなカフェですと、1杯15万~20万ルピアで飲むことができます。「高っ!」と思われたかもしれませんが、1ルピア=0.007円(2020年5月時点)です。日本円に換算すると、約1,100~1,500円。
輸出コストがかからないこと、人件費や光熱費等の経費が安い分、安く飲めるという感じですね。それでも、平均
月収が3~6万円と言われる現地の方の収入を考えるとある程度お金を持っている人じゃないと飲めないですね。
カフェではなく、現地のコピルアク屋さんのお店でコーヒー豆を買った場合は、100gで2,500~4,000円というところでしょうか(もちろんもっと高いものもあります)。

ジョグジャカルタのコピルアク屋さん。丁寧に製造工程を説明してくれたり、試飲をさせてくれるところもある。
現地に旅行に行ったついでに、コピルアクを買ってくるのはなかなかコスパが良いと思いますが、100gで1,000円代といったものは要注意です。偽物の可能性がかなり高いです。
(偽物コピルアクについては下記の記事で紹介しています。)

お店やインターネットでのコピルアクの値段
日本のお店やネット通販などで買った場合の相場はいくらでしょうか。
価格には幅があり、100gで2,500~10,000円くらいです。現地価格が2,500~4,000円ということを考えると、かなりお店が頑張って安く売っているか、ブレンド品などが混じっているかもしれないですね。
お店で100g5,000円でコピルアクを買ったとして、コーヒー1杯分に換算してみましょう。
1杯のコーヒーに8g豆を使うとすると、「一杯 約400円」!
だいぶ、コピルアクが身近になりました!
もちろん、普通のレギュラーコーヒーを家で淹れて飲むのに比べればかなり高いですが、カフェでコーヒー1杯飲むよりも安い金額になります。この価格で「世界一希少なコーヒー」を味わえると思えば、かなりアリではないでしょうか。
なぜ、コピルアクは高いのか
説明したようにコピルアクはやはり高価なコーヒーです。一般的なコーヒーの10倍以上の価格はします。
では何故、そんなに高いのでしょうか?
基本的にコピルアクに限らず、モノの値段はモノの数より欲しい人が多ければ高くなります。また、製造コストがかかればかかるほど高くなります。
圧倒的に少ない生産量
まず生産量の少なさです。
野生のジャコウネコが野生のコーヒーの実を食べて、消化されずに出てきたコーヒーの種(コーヒー豆)を糞から採取したものがコピルアクです。それでは、一つの糞からどれくらいコーヒー豆が取れるかというと、わずか3~5gです。100gのコーヒー豆パックを作るのに、20~30個の糞が必要になります。一匹のジャコウネコなら、数日分の糞になります。製造過程で欠点豆などを取り除くことを考えると更に少なくなります。
しかも、野生のジャコウネコが住んでいるのは広い自然の山です。車が通れる道は少なく、徒歩で山道を歩き糞を探さないといけません。もちろん、全く糞を見つけられない日もあります。

自然の山が農園になっている。この広大な山を歩きながらコピルアクを探すのはなかなか骨が折れる作業だ。
糞の採取量は農園(山)によって違いますが、私が訪ねた農園は年間約40kgしか採取できないとのことでした。相当少ない量です。これを安い価格で卸してしまえば、農園の方の生活は成り立たなくなってしまいます。
時間と手間のかかる製造工程
糞を採取してから商品化されるまでの製造工程の多くは手作業でやります。もちろん機械を使っているお店もあるでしょうが、手作業にこだわっているお店が多いです。そのため、機械でやるよりも人件費が高くなります。

採取したジャコウネコの糞をチェックするコピルアク屋のオーナー。アナログな作業が多い。
またコピルアクの製造過程では、ただ単に待つという工程があります。
集めたジャコウネコの糞は、すぐに加工はされません。長い間、貯蔵して乾燥させるのです。十分に貯蔵して乾燥させた方が旨味がグッと増します。貯蔵する期間はお店によって異なりますが、味を追求するために数年もの間貯蔵するお店もあります。しかし、この長い貯蔵期間のために更に生産効率が落ちてしまうのです。
この「貯蔵」という工程は、全てのコピルアク屋さんがやっているとは限りません。製造コストを下げて安く販売するために、味を犠牲にして貯蔵を行いはないところもあります。
コピルアクの需要の多さ
最後にコピルアクの需要の多さです。
「こんな高いコーヒーに需要がそんなにあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本物のコピルアクを飲めばわかりますが、他のコーヒーには代えがたいそのフレーバーから、コピルアクの虜になってしまう人も多いのです。またその希少価値から一度は飲んでみたいという人もたくさんいます。
コピルアクの生産量から比べれば、あきらかに需要が上回っているのです。
コピルアクに限らず、コーヒーを飲める人が増えているのもコーヒー価格の高止まり・上昇の原因となっています。全世界的に見れば、人々の収入というのは増え続けており、今までコーヒーが飲めなかった人が飲めるようになっています。普通のコーヒーであれば、生産量を増やすことが可能ですが、天然のコピルアクに限ってはそう簡単ではありません(人工飼育のコピルアクは別)。
今後、コピルアクの相場が上がることはあっても、下がる可能性は低いでしょう。
コピルアクの本物と偽物の見分け方
他のコーヒーに比べて非常に高価なコピルアク。
現地で買うのが一番コスパが良いですが、なかなかそんなチャンスはありません。
おすすめなのはお店やネット通販などで豆を買って自分で淹れることです。そうすれば、一杯あたりはそこまでの価格ではありませんし、世界一希少なコーヒーを気軽に楽しむことができます。
それでは偽物が多いとされるコピルアク。どのように本物と偽物を見分けたらよいでしょうか。
つい最近までは科学的に見分ける方法がないと言われていましたが、遂に大阪大学の教授が豆の成分分析から本物かどうかを見分ける方法を発見したようです。しかし、一般の方はそんなに簡単に分析なんてできません。
政府機関の証明書付きと謳っているコピルアクもありますが、そもそもコピルアクを証明する制度というのはありません。その証明書はたしかに政府機関が発行した本物かもしれませんが、そのコピルアクが本物だと証明するものではないのです。
こういっては元も子もないのですが、正直、完璧に本物と偽物を見分けるのは難しいのが現状です。でも、本物のコピルアク香りをかいで飲んでみれば明らかに他のコーヒーとの違いは分かります。でも、買う前に見分けられないと意味がないですよね。。。
そこで私がおすすめするのが、価格を見ることです。
「なんだそんな簡単なことか。」と思われるかもしれませんが、今回説明させていただいたようにコピルアクはある程度のお値段になってしまうのが普通です。異常に安い商品は何か裏があると考えるのが自然です。
安い価格のものは下記の可能性が考えられます。
- 全くの偽物(他のコーヒー豆に香り付け)
- ブレンド品でコピルアクの割合が少ない(コピルアク5%以下のものも)
- 劣悪な環境でジャコウネコを飼育した人工コピルアク(無理やりコーヒーの実を食べさせ生産量を増やす)
2,000円台やそれ以下の価格のものは避けた方が良いでしょう。
正直にブレンド品と書いてあるものもありますので、何パーセントの割合でコピルアクが使われているか忘れずにチェックしましょう。
あとは、どれだけコピルアクのことについてどれだけ詳しく説明されているか、販売者のコピルアクに対する熱意があるかも重要なチェックポイントです。他のコーヒーと比べて売るのが大変なコピルアクを、わざわざ熱意を持って詳しく説明して売っているお店は信用ができると思います。偽物や人工飼育が多いコピルアクですので、販売者が現地視察に行っているかの説明も重要なポイントです。
ある一定の価格以上で、熱意のある丁寧な説明がなされていれば、あとは気になるコピルアクを選べば大丈夫だと思います。
安易にお金を稼ごうとしている偽物コピルアク業者や、劣悪な環境でジャコウネコを飼育して生産量を無理に増やそうとしている業者。反対に、天然のジャコウネコを守り、生産効率よりも味を追求する業者。
できれば、後者の方のコピルアクを買って応援したいものです。消費者が正しくその価格の価値を知り、購入するば自然と粗悪なものはなくなっていくでしょう。
まとめ
今回はコピルアクの値段に関することを説明させていただきました。
もう一度、コピルアク一杯あたりの値段をおさらしてみます。
高級ホテルで飲む | 8,000~10,000円以上 |
カフェや喫茶店で飲む | 3,000~5,000円 |
現地のカフェで飲む | 1,100~1,500円 |
現地で豆を買って、家で淹れる | 200~320円 |
ネット通販などで豆を買って淹れる | 320~800円 |
コピルアクは、豆を買って自分で淹れれば決して手の届かないコーヒーではありません
コーヒー好きならば是非一度はお試しいただきたいのがコピルアクです。もしかしたら気に入らないかもしれないし、もしかしたら虜になってしまうかもしれません。何はともあれ、世界一希少なコーヒーをこの値段で楽しめるは十分価値があると思います。
(私が惚れ込んだ「アリズ コピルアク」の公式サイトは下記のリンクからどうぞ)

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